2014年4月19日土曜日

「LoL観戦記: Samsung Galaxy Ozone vs SKT T1 K」

OGN Champions Springの準々決勝、SSO vs SKTK2試合目と4試合目を取り上げる
この試合はPatch 4.5で行われた

注目点は以下の3
Patch 4.5による影響
なぜLooperJungle Creepを狩ったのか
Swapした後のSSOの狙い

またSSOの戦略をより理解するためにNA LCSの準々決勝 CST vs CLG2試合目も参考にしていく





まずは試合に入る前にPatch 4.5の変更とその影響を確認しておく
Feral Flare(以下FF)というアイテムの追加とRuneの変更、GragasReworkによるRoleの変更
大きなところではこの3つだ
GragasについてはMid APCarryとしてPickされなくなったとだけ言っておく

FFの追加はSoloQで大きな影響を与えたし、またNA LCSでもFFを見据えたJunglerをPickしているチームもあった
しかしOGNでは、またKR SoloQではほとんど姿を見せていない
彼らは序盤から中盤にかけてのSnowballに大きな重きを置いている
FF(Lantern)は終盤においてPower Spikeをむかえるアイテムであり、だから彼らはFFを評価していないのだろう

Runeの変更は今回の記事の大きなカギとなる変更だ
今回取り上げたいのは紫のAS Rune
以前のADCの一般的なRuneは「赤AD AR MR AD*1 LS*2」だった
LS4%11ADを確保している
そして今回の4試合目においてImpは「赤AD*8 AS*1 AR*5 HP*4 MR*5 AS*4 AS」だった
AS18%7.6ADを確保している
このRuneの変更により序中盤のADCが強化された
BF Swordを購入した直後に1つ目の大きなPower Spikeを迎えるようになった


以上の事を踏まえたうえで試合をSSO中心に確認していく

2試合目と4試合目は両方ともSSOが紫側であり、なおかつSwapしてTopADCSupportを送り込んだ
一方のSKTBot4man Pushした
ここで両方の試合においてSSOTop LanerであるLooperPushに参加せず自陣のJungle Creepを狩っている
両方の試合において全く同じことをしているからには何かしらの理由があるはずだ
SSOTopImp(ADC)/Mata(Support)/Dandy(Jungler)3人でPushし、Looperはその間自陣のDouble GolemWraithを狩っている
その後LooperRecallBotに戻っている
またSSOTopTowerImp1人にまかせ、DandyMidGankに行き、MataBotCoverに走った
そのImp1st Towerを折ることよりもFarmに専念し、1st Towerが折れたらPushすることなくRecallした
ImpBotに到着するタイミングでLooperTopへ移動する

これは2試合目と4試合目に共通する記述だ
違いがあるとすれば4試合目においてDandyMidへ寄ったがGankせずにそのままBotへ移動したことぐらいであり、それ以外は一切変化がない


さてここでCST vs CLGの試合を確認しておく
この試合もPatch 4.5で行われており、両チームともに4man Pushをした試合だ

この試合の特徴はJunglerBuff1つしか狩らず、すぐさまTop TowerSiegeに参加している点だ
ADCSlow PushWaveを大きくするのではなく、素早くMinionを処理しTowerをすぐさま4人でSiegeできるようにしている
この試合は互いに2nd Towerまで折り、その後通常のLane Assignに戻した


それぞれの試合の7分時点における総収入と各RoleLvを確認する
まずはCST vs CLGから、Goldは「10.5k(CST) vs 9.4k(CLG)」、LvTop/Jungle/Mid/ADC/Supportの順に「5/5/6/4/4(CST)」「5/4/6/4/4(CLG)

SSO vs SKT2試合目は、Goldは「10.5k(SSO) vs 8.6k(SKT)」、Lvは上と同様に「5/5/6/5/4(SSO)」「4/4/6/5/3(SKT)
4試合目は、Goldは「9.2k(SSO) vs 8.8k(SKT)」、Lvは上と同様に「4/5/6/6/4(SSO)」「4/4/5/4/4(SKT)

CST vs CLGのほうが総収入は多いが、しかし両チーム共にADCLvSSOに比べると低い
4試合目と比べると、CSTCLGADCは共にLv4であるのに対し、SSOLv6になっている
序盤におけるLvの差の影響は大きく、またLv5Lv6の差はULTの有無にも関わってくる
しかも装備はDoran’s Blade + Vampiric Scepterであり、そこには差はない


SSOADCLvという大きなアドバンテージがあるため、10分にならない時間帯でDragonを取りに行ったり相手のBuffInvadeするなどして集団戦を起こす動きをしている
2試合目はFakerが自陣Jungleに入ってきたところを捕まえて、そこからの集団戦に勝ちDragonを確保している
4試合目はまずはDragonを確保し(SKTは視界を確保していたがSSOの方がLvが高いため邪魔しに行くことすらできなかった)、そのまま敵の赤BuffInvadeして集団戦を起こし勝っている
SSOSwap後の狙いは、集団戦を起こすことだ
彼らは強化されたADCを活かす方法を序盤の集団戦に求めた

SSOの戦略を理解したのちに、もう一度試合を確認することでそれぞれの行動の目的がわかる
LooperPushに参加せずにJungle Creepを狩っていたのはADCLvを遅らせたくないためだ
ImpだけTopに残したのは敵のADCよりもLvを先行するためであり、Top1st Towerしか折らなかったのは深くまで押し込まないことでLane Assignを戻した時にLooperFarmしやすい状況を作るためだ
Mataが早めにRecallしてBotCoverに参加したのは3rd Towerを折られないためだ
Dandy1st Towerをある程度Siegeした後にMidGankを仕掛けたのは、後に起こす集団戦を有利に進めるためにMidで差を作りたかったからだ
彼らのSwap中の動きは全てSwap後の集団戦を見越している


最後に簡単にSSOの戦略をまとめると、「SwapしつつもADCMidLvを先行させ、Swapした直後に集団戦を仕掛けて勝ち、序盤に大きなアドバンテージを作る」というものだろう
この戦略を行うにあたって正確なMap Controlが基盤になっていることにも言及しておかなければならない
たとえADCMidLvを先行させることができたとしても、しっかりと集団戦を起こせなければTower1本分のGold差を相手に活かされてしまう

彼らの強さの基盤はその正確なMap Controlなのかもしれない

2 件のコメント:

  1. このSSOの動きを見るからにLv6でのCarryの強さを気にしてPick/Banを行うと思うのですが
    SSOが好んだPickとは何になったんでしょうか

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    1. 彼らはADCにおいてはASとの相性がよく、なおかつLv6の時点で集団戦で活躍できるADCを好んでいるようです
      今回のvsSKTでは4試合を通してTwitchとJinxの2champをPickしていました
      CaitはASとの相性がいいですが、集団戦に長けているというわけではありません
      LucianはASとの相性も悪くないですし集団戦にも長けていますが、しかしTwitchやJinxと比べると劣っているように思えます
      彼らはJinxとTwitchがこの戦略においてベストのADCと考えているのではないでしょうか

      一方のMidは多くの選択肢があると思います
      今回PickされたNidalee、Yasuo、Orianna以外にもSyndraやTF、LeBlanc等が思い浮かびます
      強力なCCがあるか、もしくはBurstに長けているか、いずれかの要素をもったMidが合っていると思います
      Nidaleeはどちらもありませんが、HealによるAS上昇がありますからADCのDPSの補強が出来ますし、またもしこの戦略が失敗した時のためのリスクヘッジにもなります
      そういう意味でNidaleeがPickされていたのでしょう

      他のRoleのPickに言及すると長くなりそうなのでここで終わらせていただきます

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