2014年9月13日土曜日

4.14におけるTop Champ ― Lane Swapにあわせた変化

先日4.16 Patchが実装された。
Patch2つ分の古い情報であるが、いまだに有用であると思われるので記事を公開することにした。

この記事を書くきっかけとなったのは「なぜNJWSはKayleをPickし続けたのか」という疑問を解消するためだ。

題名の通り主題はTop Champの流行についてだが、それを分析するために大半がSwap戦略の分析についやされている。
興味がなかったら最後の段落さえ読めば最低限の理解はできると思われる。

以下、乱文。




・はじめに

 現在のTop LaneではMaokaiとAlistarという二大巨頭が猛威をふるっている。しかし彼らはあまりにも隔絶した強さを誇っているためにBanされることが当たり前になっている。ある意味、彼らはMetaから除外された存在になりつつある。
 では現在、Top LaneのMetaはどうなっているのか。筆頭はRyzeだろう。OGNにおいて1st Pickされていることからもわかるとおり、CounterといえるChampが競技シーンにおいては存在しない。次いでKayleやNidaleeといったRanged Champが主流になりつつある。
 しかしRyzeにはもちろんCounter Pickが存在する。Ireliaであったり、JarvanであったりといったLong Gap CloseもちのBruiserだ。ではなぜ競技シーンでRyzeのCounterとされるIreliaやJarvanがPickされないのか。
 その理由として、Lane Swapの戦術に変化があったからではないかと考えた。

 その変化したLane Swap戦術を見せてくれたのがNajin White Shieldだ。彼らはSeason 4 World Championshipへの切符をかけた韓国予選において実践してくれた。だがそれを確認する前に、4.10 Patch以降から韓国予選直前までのLane Swap戦術をまとめておく。そうすることで新たなLane Swap戦術の基本的な考え方が浮き彫りになると思われるからだ。4.10 Patch以降であるのは理由がある。4.10 Patchにおいて序中盤においてDragonが生み出すGoldが大幅に増えたからだ。当然のようにその変更はLane Swap戦術に大きな影響を与えた。


4.11 PatchにおけるSSBの動き

 Pre-NJWSのLane Swap戦術の典型例としてOGN Summer Play-offに行われたSamsung Blue vs Jin Air Stealthの第二試合を取り上げたいと思う。この試合は4.11 Patchで行われた。
 青側がJAS、紫側がSSBでありSSBがLane Swapをした。SSBの動きを中心に試合を確認していく。



 互いに敵陣青BuffをJunglerとTopが狩っている。その後Wight/Wolvesを狩りに行く。





 その後は自陣赤Buffを狩り、そのままJunglerとTopはJunglingを続ける。SSBのDuo Laneは常にFreeze Laneにしているのに対し、JASは最初はFast Pushにすることで、JunglerとTopが青→Wolves→Wightを終えたタイミングでWaveがTowerに到達するように調整していた。これはLuluが早期にLaneに戻ってくることを予測してのことだと思われる。しかしSSBはそうしなかったので、WaveがリセットされたあとはSSBと同じようにFreeze Laneにしていた。


 SSBがまだJunglingを続けている一方でJASはDragonを始める。


 Supportは一度Recallしたのちに味方ADCがいるLaneの近くのJungleにWardを置きに行く。その際にJunglerとTopに合わせて置きに行くことで敵と遭遇しても問題ないようにリスクマネージメントをしている。


 SSBはそのまま3人でMidにGankするが、Killをとることはできなかった。




そして5分48秒にしてようやくLuluがLaneに現れた。この間、ずっとJunglingを続けていたわけである。

 このLane Swap戦術の特徴はなんといってもTopがかなり長い時間をJunglerと共にJungle内で過ごすことだろう。視点を変えれば、1つのLaneに誰もいない時間が5分余り発生するということでもある。ただ回り続けるだけではなく、その動きに合わせてSupportが連動したり、MidにGankしたりと幅を持たせているが、1つのLaneが空いていることは大きな損失であることは疑いようがない。そしてDragon Controlを失っていることも指摘しておきたい。


・4.14 PatchにおけるNJWSの動き

 続いてNJWSのLane Swap戦術の確認をしていく。取り上げる試合はS4WCSの韓国予選で行われたNJWS vs KTAの1戦目だ。この試合はKTAが青側、NJWSが紫側でありNJWSがLane Swapを実行した。


 ThreshがCatch The Waveを実行するための動きをみせている。これによりTop LaneはPushされるLaneになる。一方でNidaleeがEliseと共にJungleを回るのではなくKhazixのJunglingを邪魔している。そしてそのままBotに移動する。



 Eliseは自陣赤Buffを狩り終えたらすぐさま敵陣青Buffへ向かう。それをThreshが補助する。KTAも同様に敵陣青Buffを狩り終えたら自陣赤Buffを狩っている。



 EliseとThreshは敵陣青Buffを狩り終えるとすぐさまRecallしBot Laneに向かう。一方KTAはBot Laneに1人でいるNidaleeを狙いに4man Diveをしかけにいく。



 しかしThreshとEliseがBot LaneのCoverにきていたためにNJWSは4man Diveを諦めた。ここでしかけるとTowerがある分、NJWS側の方が有利だからだ。



 RyzeはTop Laneへ、KhazixとEliseはJungleへ、ThreshはDragon前にWardを置いてRecallした。



 そしてBraumとKhazix、ThreshとElise、それぞれがTop Laneへと向かう。KTAは孤立しているTwitchを狙うため、一方のNJWSはKTAの狙いを読んだ上で防ぎに行くためだろう。



 TopにThreshが現われたのを確認するとKhazixとBraumはTwitchへのGankを諦めた。BraumはMidにより、KhazixはTop側の敵陣JungleにWardingをしにいった。



 一連の動きで特徴的なのは2点ある。Top Lanerがかなり早い時間帯からLaneに現れていること、そしてSupportとJunglerが頻繁にLane間を移動することだ。前者の動きによりLaneに誰もいない状況は発生せず、また後者の動きにより3man/4man Diveを防ぐことができ安全にFarmができる状況を作り上げている。
 さらに注目したいことは、ADCのSolo Farmの時間の長さとTop LanerのCSだ。この試合ではKTAは4man Diveの構えを見せていた一方でNJWSはそれに対応するような動きを見せていた。その間、Twitchは1人でFarmをしていた。そこで相手のADCであるTrisに対してExp Advantageをつけることに成功している。またNidaleeもかなり早い段階からLaneにいたこと、SupportとJunglerにCoverにきてもらったことでExpとCSの確保ができるようになり、なおかつその後局面がTopに移行したことによりBotでTrisとの1v1の状況が起きていたこともあってRyzeに対して大きな有利をつけていた。


・4.14 PatchにおけるTop Champ

 ここで当初の疑問に立ち戻ろう。なぜRyzeへのCounterとしてIreliaやJarvanがPickされないのか。このLane Swap戦術の変化を確認したあとであれば非常にわかりやすいと思う。IreliaやJarvanはMelee Champである。つまりSwapした/された際に、このようにSupportやJunglerにCoverされてもCSが確保しにくいのだ。これを嫌ってMelee ChampがPickされなくなったのではないか。
 だからRyzeに対してKayleやNidaleeといったRanged ChampがPickされているのだ。彼らであればCSを確保できるし、なおかつHealもあるのでHarassに対しても非常に強い。Lane Assignを戻した時、Ryzeは涙だけである一方でKayleもしくはNidaleeはDrans + 素材という装備になりStatsで大きな優位に立てる。取り上げた試合のようにRyze側が4man Diveを狙ったり、もしくはJunglingを続けていたとしたらExp差をつけることも可能だろう。ほぼ確実に中盤の時間帯までLaneを優位に進めることが可能となる。

 他にもPickされうるChampは存在する。「経済」的なRumble、Gragas、YorickといったChampがそうだ。ただし彼らは性能的にRyze/Kayle/NidaleeといったChampと渡り合えるのかどうか。そこがクリアできれば(Lane Swap戦術を基準とするならば)Pickの候補に入ってくるだろう。

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